この前NHKの深夜にやっていた、「THE BEATLES IN THE STUDIO」。
9月12日にオンエアした完全版の再放送でした。
基本はDVDになっているアンソロジーみたいだったけど、たしかに未公開の映像が随所に挟まり、マニアとしてはたまらない内容。
いつかどこかで見た映像が大半でしたが、ポールがギター1本で歌う佳曲「Blackbird」の映像らしきものに感動。
いちおう動画っぽかったですが、あれはもしかしたら画像を巧妙につなぎ合わせただけかも。
でも感動したな。
あんな画像があったんだ、と。
「キーはF」とポールが語る声がありましたが、収録されている通称ホワイトアルバムこと「The Beatles」の曲に合わせると、キーはG。
回転数を上げているんですな。
ちなみに、ポールが率いたウイングスのライブアルバム「Wings Over America」でのプレイは、チューニングを1音下げて、キーをGにして弾いています。
チューニングを弛めたことにより、おなかに心地よい響きとなっております。
ビートルズがここまで偉大となったのは、楽曲の完成度を次々と高めていったことによると番組では分析しておりました。
まあ、これは当たり前といえば当たり前。
「Yesterday」の弦楽四重奏の起用、「Norwegian Wood」でのインド楽器シタールの使用、「I'm Only Sleeping」でのテープの逆回転などなど、今のミュージシャンがやることないくらいにやっちゃってます。
楽曲そのものの完成度は、ツアーをやめ、スタジオにこもり始めた頃から高まっていったと思っておりましたが、ポールが語る転機となった曲は、初期も初期の曲、通算3枚目のシングル「From Me To You」だそうです。
コンサートでは、「From Us To You」と歌詞を変えて歌っていたこともある曲ですが、まー、はっきり言ってたいしたことない曲。
自分の中では、「Please Please Me」と「She Loves You」をつなぐ曲でしかありませんでした。
でも、「From Me To You」は、途中でマイナーコードに転調する。
そこが「画期的だった」と。
メジャーコードで、「ワオッ」とやっていればよいことから脱皮したという意味で、後に生まれる数々の名曲の原点だったのかもしれません。
ビートルズを聴きはじめて30年以上。
世界最高の音楽グループであることはいうまでもありませんが、そこに到達するための転換点は、さほど多くの人が注目する曲ではなかったことに何かを感じさせられます。
ちなみに、その次のシングル「She Loves You」は、長くイギリスで最も売れた曲でしたが、これは「I Love You」ではなく、「She Loves You」と第三者的立場の歌詞という点が画期的だったとか。
「ボクはキミのことをこれだけ愛しているんだよ」という世界から脱皮できたことは、詞の構想を拡大につながったことは言うまでもないでしょうから。
番組のコンセプトとして一貫していたのは、ビートルズの4人の貪欲さ。
成長というと、清く正しいものに聞こえてしまいますが、そんなお行儀よいものではない、自由奔放な貪欲さが、彼らを成功に導いたのでしょう。
これは芸術という枠にとどまらないこと。
自由奔放さを、出すぎた釘ととらえ、ガンガン打ちつけてはいけない。
それを受け止めつつ、さらに力を発揮できるよう努めるのが大人の役目。
日本人は得てして、釘を打ちたくなるもの。
それはそれで必要なことだけれども、そればかりではいけない。
ビートルズの欲求を全身で受け止めたプロデューサー、ジョージ・マーティンのように、確固たる基盤のある大人なら、それができるはずです。
ただ、若者自身に奔放さがなくなっているのも事実なんですけどね。
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EMIミュージックジャパン (2009-09-09)








